経営数字・KPIの整備 ・ 経営数字
数字が合わない会議を直す方法
月次会議で、営業の売上と経理の売上が一致しない。「どの数字が正しいのか」の確認に会議時間を使ってしまう。数字が合わないときは、まず指標の定義と集計基準を確認する必要があります。
数字が食い違う真因は、「定義」にある
同じ「売上」でも、受注ベースで数える部門と、請求ベースで数える部門があります。「粗利」に何を含めるかも、営業と経理で違うことは珍しくありません。つまり、それぞれの数字はどれも間違っていないのに、定義が違うために複数の「正しい数字」が併存している——これが食い違いの正体です。
だからこの問題は、集計を頑張っても、ツールを替えても直りません。直すべきは数字ではなく、定義です。
数字が合わないのではない。定義が合っていない。
ダッシュボードを作っても、直らない
「見える化のためにBIツール(データをグラフで見える化する仕組み)を入れよう」は自然な発想ですが、定義がバラバラのまま可視化すると、食い違いが見やすくなるだけです。数字の出どころを説明できないダッシュボードは、数回の会議で信頼を失い、誰も見なくなります。「作ったのに見られていないダッシュボード」の多くは、ここでつまずいています。
直し方——意思決定から逆算して、定義を揃える
順番を逆にします。「どんな数字があるか」からではなく、「この会議で何を決めたいか」から逆算するのです。
- 決めることを絞る:その会議で下したい判断をひとつ明確にする(例:来月の販促費の配分)。
- 指標を逆算する:その判断に必要な数字だけを選ぶ。全部を見ようとしない。
- 定義を1枚にする:指標名・定義式・集計元・更新頻度・責任者を明文化する。これで「どの数字が正しいか」の議論が消える。
- 集計を自動化する:既存のExcelやBIを活かして組む。新しいツールの購入は前提にしない。
小さく始める——1指標・1会議から
全社の指標を一度に揃える必要はありません。まず、いちばん判断に効く会議をひとつ選び、そこで使う数字から定義を揃える。数字への信頼が戻ると、会議の議論は「数字合わせ」から「次にどうするか」に変わります。その変化を実感してから、隣の会議・隣の部門へ広げれば十分です。定義は作って終わりではなく、会議で使いながら見直していきます。
まとめ
数字が合わない会議の真因は、ツールでも担当者でもなく、指標の定義が組織で統一されていないことにあります。意思決定から逆算して定義を揃え、集計を自動化し、評価を続けて数字への信頼を積み上げる。地味に見えますが、これが「数字で判断できる会社」への最短ルートです。
ご相談:会議で使っている数字と、食い違いの箇所を一緒に整理します。
自社の課題を相談する